社会分析脳を訓練する実践読書ブログ

勉強会の開催、参加・ビジネス書や人文書の読書を通じて、将来を見通す能力「社会分析脳」を鍛えていくブログです。

<<孤独な夜には笹田さんがほしくなる  | ホーム | 生きていることが不思議になれる『現代詩文庫176 八木幹夫詩集』 >>

スポンサーサイト 

--.--.-- この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

『柿色のチマ裾の空は』 

2009.01.17 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

柿色のチマ裾の空は 韓成禮柿色のチマ裾の空は
(1997/08)
韓成禮
書肆青津社



柿色のチマ裾の空は』は韓国の詩人、韓成禮さんの日本語で書かれた詩集です。

崔泳美さんの『三十、宴は終わった』など、最近は翻訳で知られています。
日本の詩を韓国へ、そして韓国の詩を日本に多数紹介されている韓先生の訳業、特にその詩の価値を伝える彼女自身の翻訳能力は今の日韓双方ともに稀有な存在です。

しかし、この彼女本人の詩の言葉も翻訳に負けることがないのです。
例えば冒頭の『太陽に向かって』
太陽に向かって

太陽に向かって
発つというのでついていった

―燃えてしまう―
という感覚は消えて
軽飛行機で出発した宇宙旅行は
ただ行為としてだけ残った

寄着地は太陽
暑さよりは
恍惚とした色彩に窒息させられた


「軽飛行機で出発した宇宙旅行は/ただ行為としてだけ残った」や太陽の「恍惚とした色彩に窒息させられた」といったイメージの重さの転換が印象に残ります。


彼女の詩の持ち味は動きのあるイメージです。
例えば『梅雨』という詩では一つの連で「身振り」という言葉を三度使いながら、うるささを感じさせません。繰り返される言葉の中にリズムを感じます。
両脚の中から伸びた白い尾の矢
矢は一斉に
駆け寄ってくる
身振りで振り払い
身振りでにげて
または身振りとは逆に倒れる行為

(『梅雨』より)


ほかにも新羅の古墳の中で、王と王妃が一緒に入る比翼塚と王妃のみが入った片塚を取材しながら、
「一回性の人生の中でお互いを分かり合うにはあまりにも短くて/半日をつぶして消えうせる蜉蝣のよう」と語る叙情を示す『遺言』など
日本語で語られた詩集として、『柿色のチマ裾の空は』はとても読みやすい詩集です。

近年、アーサー・ビナードさんや谷川俊太郎さんの訳者の田原さんが日本語での詩集を出されていますが、韓先生の詩集の確かな技術はもっと知られて欲しいと思いました。


ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 本・雑誌

タグ : 書評 詩集 柿色のチマ裾の空は 韓成禮

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://literturehardcore.blog51.fc2.com/tb.php/166-3cdab970

 | HOME | 

出演予定イベント
3月17日 (水)19:00-24:00
『ユアパ!vol.34@渋谷SECO』


渋谷SECO
東京都渋谷区渋谷1-11-1 B1F
03-6418-8141
1000円+ドリンク
メールマガジン
ポエムコンシェルジュの選んだ一篇
(ID:0001086342) 読者登録解除フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
登録フォーム**
まぐまぐ 『まぐまぐ!』から発行しています。
カテゴリー
月別アーカイブ
RSSフィード
最新記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS

Add to Google
はてなRSSに追加
My Yahoo!に追加
Livedoorへ追加
最近の記事
ブログ内検索
リンク
アクセスカウンター
最近のコメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

twitter
ブログパーツ



復刊ドットコム
絶版になっている本の復刊に
協力願います。

アイデアのおもちゃ箱
新しいアイデアを思いつくツールが全部で20種類以上!
発想力を高める方法や偉人の発想エピソードも詰まっています
書評
おすすめ詩集(インディーズ)
おすすめ詩集(インディーズ)

五十嵐倫子『色トリドリの夜』
ブログ関係
プロフィール

イダヅカマコト

Author:イダヅカマコト
ポエム コンシェルジェとして、詩集や文学、発想の紹介をしております。
恋愛詩、克己詩、悲しい詩、うれしい詩など、こんな詩が知りたいというごお問い合わせを歓迎しております。
ご献本やコラム・書評の執筆依頼、撮影などの依頼もうけております。
ご献本いただいた書籍にはご紹介を書くよう努力しております。

よかったら、お問い合わせフォームよりメッセージください

また、Twitterもやっております。
こちらからよろしくおねがいします。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。