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[sai]はめっぽう面白い短歌の同人誌 

2009.04.26 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

sai vol2[sai] vol.2
(2009/1)
鈴木暁世

商品詳細を見る




鈴木暁世さん編集発行の[sai] vol.2は面白い企画の多い短歌の同人誌です。
私家版で、京都の三月書房か、黒瀬珂瀾さんに直接注文しないと買えないのが残念なくらいです。
(サイトからがんばってメールを送ってね)

今回の特集の中でめっぽう面白いのは歌合。
同じ御題で作られた短歌を出し合って、どの歌がいいかというのをディベートで競います。

2つのチームに分かれて、4つのテーマの短歌を一つずつ作るのですが、
例えば「タンス」をテーマにしたものを見てみましょう。

人生の荷物を背負うこと思い、タンスかつげばタンスは重い
生沼義朗
>> 祭都 生沼義朗短歌エリア


うかがって うすくわらっておりました。
たんす ながもち どの子がほしい?
今橋愛
>> 今橋愛さんのサイト


さて、皆様はどう思われたのでしょうか。

それぞれの短歌に何かが有るのだと思うのですが、今回の歌合せは、この二つの歌に対するコメントがとてもおもしろいのです。
創造的なんです。

例えば、黒瀬珂瀾さんが今橋愛さんの作品を擁護するコメント
>> 黒瀬珂瀾|Moonlight Crisis


「たんすながもちどの子が欲しい。」これ、普通に読んだとしても、ある種のわらべ歌であるっていうのがわかるわけで、そうやって子度jもたちが遊んでいて、「どの子がほしい」っていわれながら、一人ひとりもらわれていくって言う中で、そこで、なぜ「うかがってうすくわらっておりました」が出るのか。
 ひとつ明確なのは、「おりました」っていう言い方で、これ、「うかがって うすくわらっていた」のは、私だっていうのは一発でわかる。すると、「うすくわらってい」たわたしは何を「うかがって」いたのか。
それは、もちろん遊びを「うかがってい」たわけで。「どの子がほしい」っていう風に言うのは、また外科医から、別の声ですよね、「おりました」で「。」がついてるわけだから。その遊びのばにふってくる声の中で、笑いながらそれを聞いていた。その笑いって言うのが、まず「うすい」って言うので不気味さがある。(以下略)


または、玲はる名さんと石川美南さんのコメント。
玲さんは生沼さんを、石川さんは今橋さんを擁護します

>> 石川美南さんのサイト 山羊の木

>> 玲はる名さんのサイト はるなとりうむ

玲:なんと言おうが構わないんだけど、「タンス担げばタンスは重い」という言葉は、あくまでも自分が連れてきた言葉だから、自分の字感で、どんなにキャッチーだ何だって言われようがいいんですよ。本人がタンスかついで、タンスが重かったんだから間違いないよね。だけど、「たんすながもちどの子がほしい」っていうのは、本当にかりてきて、このフレーズいいでしょう?っていいたいだけの歌だから、それって言うのはタンス担いだ人には負けると思うんですね。
石川:元から有る言葉をいかに自分のほうに引き付けて膨らませるかっていうところが、すごいところだと思うんですよ。「たんすながもちどの子がほしい」ってよく考えるとすごく怖い言葉なわけです。「どの子がほしい」はもちろんのこと、「たんすながもち」って並べたときに、なんとなく中から何か出てくるような、昔話で、子どもがたんすの中に入ってしまって、一年後にあけて見たら、「あっ、ちょっと寝てた」って出てきたとかよくありますけど。それから、「どの子がほしい」と言って子供を取引する怖さを生かすものとして、「うかがって うすくわらっておりました」というフレーズがすごくいいと思うんです。


「昔話で、子どもがたんすの中に入ってしまって、一年後にあけて見たら、『あっ、ちょっと寝てた』って出てきたとかよくありますけど。」など、一編の歌に対するコメントを見ながら人の想像力がどういうふうに働くかを見ることができる部分です。

どちらの歌が勝ったかは、本をご覧くださるとうれしいです。




歌合以外も面白い記事がそろっております。
今回の特集は、「からだからでるもの」
石川美南さんの連作は、短歌と短歌の間のストーリーをつなげるような長い詞書も印象的ですが、
例えば

春雨はいらいらと降り気がつくと私が前を歩いてますね

の「いらいら」や

二人とも無理をしてをりさみしくて真水を飲んでみた海の魚

「さみしくて」という感情を直接的にあらわしてしまう言葉の使い方が面白いです。

または、今橋愛さんの

―ふはい―
ゆるやかにかびるよネーブル 朝よりも昼より夜より深夜より 今


―筆圧―
ばあちゃんが
死ぬすこしまえにくださったてがみと
とても筆圧が にてる

の差し迫ったような時間も私は好きでした。
ただ、ここまで改行を使われ、また定型でない詩にチャレンジされていて、今橋さんはこれからどうなるのだろう。

ほかにも、セクシャル・イーティングという、食事記録と短歌の組み合わせの特集も面白く、ぜひ一度読んでいただきたいと思いました。

どうか、勇気を出して黒瀬珂瀾さんあたりに頼んでください。


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