社会分析脳を訓練する実践読書ブログ

勉強会の開催、参加・ビジネス書や人文書の読書を通じて、将来を見通す能力「社会分析脳」を鍛えていくブログです。

<<プチワークショップ  | ホーム | MM会でマインドマップをみんなでシェアしてきました(4回目)>>

スポンサーサイト 

--.--.-- この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

めざまし読書会 Hyperで、川口晴美『やわらかい檻』を読む 

2009.04.30 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

29日は朝から目白までちゃりをキコキコ。xl
めざまし読書会Hyperという読書会に参加しました。
昨日に引き続き山猫さんがファシリテーター。
通称「山猫読書会」です。

20分~30分の読書の後、5分間のプレゼンというメニューを2セットこなしました。

今日みなさんが読まれた本はこんな感じ。
詩集あり、フィリピンのスモーキーマウンテンの本あり、オペラ座の怪人の英語版ありというとても興味深い構成でした。
090428 朝の読書会



川口晴美『やわらかい檻』

私が持ってきたのは川口晴美さんの『やわらかい檻』という詩集でした。
やわらかい檻やわらかい檻
(2006/06)
川口 晴美

商品詳細を見る


川口さんは大学生の頃から詩を書かれ、今までに9冊の詩集を発売しています。
詩のテラス』というブログを河津聖恵さん、北爪満喜さんと一緒に運営されています。

>> 川口晴美 私が詩人になったわけ

>> 川口晴美の世界

「血縁」と「おさなさ」がかなり大切なテーマになった詩集です。
血縁のなかでも出てくるのはお母さん、姉、妹といった女系家族です。

双子の片方が行方不明になってしまった子供の視点で描かれるKAMIKAKUSHIは、大人が使う言葉で、子供の感覚が描かれている詩です。

性の目覚めや、「母親」のような他者の理不尽さ、

「りく」と「うみ」という双子と「母親」が登場します。
「うみ」が語り手で、「りく」が行方不明になっているの詩です。

 母親は混乱して、ときどきあやっと見つけたりくが帰って来たと叫んでわたしを抱きしめた。抱きしめられるとわたしは、そうかなわたしはりくだったんだっけ母親がそう言うんならそうなのかもしれないと思って、抱きしめられてないときも本当にりくになってみようとするのだけど、そうすると母親はりくのふりしないでと行ってぶつのだ。ぶたれたのはりくなのかうみなのかわたしも混乱して、痛いのか痛くないのかわからなくなっていった。テレビをつけたいのに、いつのまにかわたしはリモコンを放してしまっていて
仕方なく手首や肘の内側を擦り続ける。両手をそろえて太腿をぎゅっと挟むと、ようやくいくらか確かさに似た何かがそこに生まれてくる気がする。汗でぬるぬるする腕と足に力をこめてみる。ゆるく曲げた指が、あたたかくぬかるんだ泥土みたいな窪みに自然と潜り込んでいって、少しだけ安心する。そこはわたしの体の中で、そこは乾いたうつろな街なんかじゃない。じっとしていれば包み込まれた指先から溶けてわたしは体のない眠りへと溶けていくことができる。
 りくと触れあわずにひとりで寝なければならなくなった5歳の夜から、わたしは何度も何度もりくのことを想像した。ロープでぐるぐる巻きにされて狭い小屋の隅に倒れているりく。鎖に繋がれて重い石を運ばされるりく、鞭を持った大人に追われて空中ブランコや火の輪くぐりの練習をしているりくさえ想像した。眠っていたのかいなかったのか、土に半ば埋められたりくが瞼の裏に閃いたとき、自分の口の中にいやなにおいのする土がつめこまれている気がして叫びながらわたしは吐いた。するとそばにいた誰かが、あれは誰だったのだろう、母親ではなくたぶん保母さんか学校の先生が、わたしの背をさすりながら耳元でお話をしてくれたのだ。りくはねえ、とてもきれいでいい子でしょう、だからあの日たまたま通りかかったよその国の王さまがりくを見て一目で好きになって、どうしても自分の子供にしたくなって、連れていっちゃったんだよ。りくはうみと会えなくなって悲しいけど、りくはやさしい子だから、さみしい王さまといっしょにいてあげようとけっしんして、遠い国の王子様になって素敵なお城で暮らしているよ。


この後、おとぎばなしのようにりくを失ったおはなしに共感できないうみの想像は、りくが王さまに連れ去られる風景をまるで運命のように活写します

あの日、りくはそこにいて、きっと時刻表にないバスが通りかかる。りくだけのために。それまでわたしたちが町で見たことのあるふるぼけてがたびし揺れながら走るちっぽけなバスじゃなくて、ぴかぴかのバスだ。王様のバス、遠い国までりくを乗せていくバスは、磨かれた床が金色に輝いていて、天井には星のように宝石がちりばめられている。りくの席は王さまの隣だ。冷房の聞いた涼しいバスの中でやわらかいビロウドのクッションを何個も重ねた上に座って、りくは王さまから美味しいジュースをもらったことだろう。すごいスピードで流れていく窓の外の景色を眺めながら、欲しくなれば車掌がいくらだってチョコレートを差し出してくれる。(略)


作者本人が好きな漫画のように、イメージが一つ一つカットされていく中で、『KAMIKAKUSHI』は不在と生の間を描写している詩だと感じました。



同じ席に座られた方の本

今回川口晴美さんを読むわたしと同じ席に座られた

後藤たくひろさんのもっていらっしゃった本は、伊藤忠の会長、丹羽宇一郎さんの「金融無極化時代を乗り切れ!」オバマのスピーチの分析などをされている本でした。

>> 後藤たくひろさんのブログから山猫読書会 上巻

HARUさんは中地克子さんの「忘れられたこどもたち」という本。
ドキュメンタリー映画の監督によって書かれた本です。
フィリピンのスラム、スモーキーマウンテンを描かれています。

最近河津聖恵さんが野樹かずみさんとのコラボレーション詩集『christmas mountain』を出版されたこともあり、非常に興味深く、また、自分達より家族を大切にするという子供たちの話を悲しくなりながら聞きました

早朝はいちばん安い塩パンもまだあたたかい涙のようだ
野樹かずみ

死者の家にささやかな賭博場をひらく葬るための寄付とするため
野樹かずみ


>>野樹かずみのWEB 路程記


christmas mountain わたしたちの路地christmas mountain わたしたちの路地
(2009/01/30)
野樹 かずみ河津 聖恵

商品詳細を見る



ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

テーマ : 本の紹介 - ジャンル : 小説・文学

タグ : 書評 レポート 詩集 読書会

コメント

Re: めざまし読書会 Hyperで、川口晴美『やわらかい檻』を読む 

写真の撮りかた、上手ですねv-22
楽しかった!

Re: Re: めざまし読書会 Hyperで、川口晴美『やわらかい檻』を読む 

ありがとうございます!
たぶん、たくさん撮ったのがよかったのかなぁ。
うれしいです

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://literturehardcore.blog51.fc2.com/tb.php/211-72ddbc96

 | HOME | 

出演予定イベント
3月17日 (水)19:00-24:00
『ユアパ!vol.34@渋谷SECO』


渋谷SECO
東京都渋谷区渋谷1-11-1 B1F
03-6418-8141
1000円+ドリンク
メールマガジン
ポエムコンシェルジュの選んだ一篇
(ID:0001086342) 読者登録解除フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
登録フォーム**
まぐまぐ 『まぐまぐ!』から発行しています。
カテゴリー
月別アーカイブ
RSSフィード
最新記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS

Add to Google
はてなRSSに追加
My Yahoo!に追加
Livedoorへ追加
最近の記事
ブログ内検索
リンク
アクセスカウンター
最近のコメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

twitter
ブログパーツ



復刊ドットコム
絶版になっている本の復刊に
協力願います。

アイデアのおもちゃ箱
新しいアイデアを思いつくツールが全部で20種類以上!
発想力を高める方法や偉人の発想エピソードも詰まっています
書評
おすすめ詩集(インディーズ)
おすすめ詩集(インディーズ)

五十嵐倫子『色トリドリの夜』
ブログ関係
プロフィール

イダヅカマコト

Author:イダヅカマコト
ポエム コンシェルジェとして、詩集や文学、発想の紹介をしております。
恋愛詩、克己詩、悲しい詩、うれしい詩など、こんな詩が知りたいというごお問い合わせを歓迎しております。
ご献本やコラム・書評の執筆依頼、撮影などの依頼もうけております。
ご献本いただいた書籍にはご紹介を書くよう努力しております。

よかったら、お問い合わせフォームよりメッセージください

また、Twitterもやっております。
こちらからよろしくおねがいします。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。