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自分のからだで考えることの大切さ 『ひらがな思考術』 

2009.05.15 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

ひらがな思考術ひらがな思考術
(2005/04)
関沢 英彦

商品詳細を見る


ひらがな思考術』は、「自分で考えるには何を使ったらいいのか」を教えてくれる本です。

何を使うのかというとこの2つだけ。

1:じぶんのからだでかんじることができること
2:じぶんのあたまでかんがえることができること

当然じゃないかといわれるかもしれません。
でも、この二つを考えると、わたしが主催する勉強会やワークショップではいつも反省ばかりです。(わたしだけかなあ)

○わかるかな、と思っていた知識はほかの人にはわからないものだったこと。
○不用意に使った「これ」や「そこ」という言葉によってワークショップの場が混乱してしまったこと。

この二つとも自分にもうひとつだけ問いかけることができれば解決できたことでした。

「だいじょうぶかなあ?」と自分の心に聞くことでした。

たとえば、ほかの人に話をきくことができたかもしれません。
または石で人の動きをイメージすることがで間違いがへったかもしれません。


いい質問ができたら答えはもうできあがったようなものだと言われます。
考えたことについては5回は自分に聞いてみなさい、といわれます。

考えてみると、自分にする質問っていつもひらがなばかりです。
間違っても、「来週水曜日が提出期限の近代史Bの課題を記述する最適な手段を検討せよ」という質問は自分にしません。
せいぜい「まにあうよね?」や「やばいどうしよ」くらいです。

そしてもうひとつひらがなで考えることで驚くことがひとつあります。
日本語のオープン・クエスチョンは全部ひらがなばかりだということ。

オープン・クエスチョンというのは、答え方に幅がある質問のことです。
(反対に、クローズド・クエスチョンというのは答えがYesかNoかに絞られる質問です)
例を挙げるとこんな感じです。

  • なぜ?
  • どうして?
  • なにがみえる?
  • なにがきこえる?
  • どこにいるの?


ひらがな思考術』はひらがなを使って考えることの強さと、身体を使って考えることの大切さを教えてくれます。

たとえば、『ひらがなは/生き方にかかわる』という章での脳死について考える方法はとても印象的。

 脳死という漢字で表される概念に対して、「でも、からだはあったかい」ということばは強い反論になるでしょう。
 これに対抗するには、「からだはあたたかくても、こころは、もうここにはいないのではないか」といった、こちらもひらがなで表されるような深いことばでいい返さないと議論はかみ合わないでしょう。
 いのち。このことばをどうとらえるかという、まさにひらがなで考えることを求められたといえます。とくに世論といわれるものは、ひらがなで示される思いに引っ張られる子が多いものです。漢字とアルファベットの言葉を表向きには理解しても、いつかひらがなの本音が浮かび上がってくることにも注意したいと思います


そして、この「からだはあたたかくても、こころは、もうここにはいないのではないか」という、ひらがなの言葉を持ってくるためには自分の目で見たり耳で聞いたりすることが大切だということ。
上の例は「いのち」についてなので抽象的でしたが、タウンウォッチングの重要性や自分で歩くことが考えの整理につながることを教えてくれます。

 からだとこころをほぐす。そのためには、ひらがなで表されるような深いところから立ち上ってくることばをかみしめる。やがて、じわっと考えていることが空を飛ぶ雲のように動き始める。こうした展開があってこそ、専門知識も生きてきます。


というように、一度、専門知識で固まった頭を自分のからだで解きほぐしてあげることを、『ひらがな思考術』は教えてくれました

ところどころに挿入された、ヒモで考えのつながりかたをあらわしたイラストもかわいくておすすめです。



【おまけ以上】

この本を読んで改めて思い浮かんだことは、征矢泰子さんのこと。

征矢泰子詩集 (現代詩文庫)征矢泰子詩集 (現代詩文庫)
(2003/12)
征矢 泰子

商品詳細を見る


彼女はひらがなを使った詩を多くかかれました。
たとえば「さがしもの」

さがしもの 征矢泰子

さがしものはいつもことば
するどくとがってひとをさす
やわらかくなまめいてかいじゅうする
さくばくとくりかえすひびのさばくに
てもなくまぼろしのはなをさがす
さがしものはことばだけ
むひょうじょうなめにひをもやし
なみかぜさけてとざすむねをたたき
さめたこころにあついほのおをふきわける
ふゆのさなかのなつ
みずのなかのひかり


「さくばくとくりかえすひびのさばく」のようなことば遊びも楽しいのですが、驚くのは3行目の「やわらかくなまめいてかいじゅうする」。
普段なら漢字で表されている「懐柔する」がひらがなで出てくることで生み出されるリズム感がすばらしいです。

>> 厳しさがそのままきれいな言葉になった詩集 書評『現代詩文庫 175 征矢泰子詩集』

で取り上げた『娘に』の「ふくらみはじめたわれとわがはなびらに/とまどってじれている」のような漢字に直すと一瞬でかたまってしまう比ゆたちも、ひらがなになっていることできらきらかがやいてみえてきます。

ひらがなで使われることばのふかさを教えてくれる詩人で、なくなったことが惜しまれます。




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