社会分析脳を訓練する実践読書ブログ

勉強会の開催、参加・ビジネス書や人文書の読書を通じて、将来を見通す能力「社会分析脳」を鍛えていくブログです。

<<明日は想いをすべてマイクにぶつける日!  | ホーム | 宮沢賢治のように星空を歩いた「書くワークショップ」>>

スポンサーサイト 

--.--.-- この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

日経BPの名言・迷言が人を惑わせる妄言になるとき 

2009.06.25 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

今日の日経BPの名言・迷言は、文章を書く身としてはとてもいやなものでした。

今日取り上げられたのは、元トリンプ、今は吉越事務所の代表を勤められている吉越浩一郎さん。

取り上げられた言葉は
ブレーンストーミングと称する会議が最も始末が悪い。A役員の仕事について、責任も権限もないB役員やC役員が意見を言って何になるのか。ブレストを求める役員がいた時に社長が取るべき行動は、会議の招集ではない。

です。

理由は二つあります。
一つ目は発言されている言葉の意味が通用している言葉の意味と違う可能性が高いこと。
これはおそらく、引用されている言葉の原典にあるようにみえます。

二つ目は短く、しかも否定的な発言を引用することの影響を考えていらっしゃらないこと。
これは日経BPの引用の方法についてです。これは新聞記事の書きかたにも通じます。

今日の発言は、『デッドライン仕事術』で出てきた言葉らしいです。
私はぼくはこの本は未読です。憶測になるので間違っているのかもしれません。
意見全体を通して、また引用を間違っていたら、指摘をお願いします

デッドライン仕事術の書評としては、hobo-多読多評-での書評がお勧めです


吉越さんが否定した「ブレーンストーミング」はブレーンストーミングではない

発言されている言葉の意味を追わずに引用しているように見えた理由は、発言の中にあります。
吉越さんはブレーンストーミングで行うことを間違って考えているのではないかということ思われます。

もう一度言うと、具体的な「ブレーンストーミング会議」での会話を想像して吉越さんは否定的な言葉をおっしゃっているように見えます。
あくまで一般で自由に発想を出す行為としてのブレーンストーミングを否定していないように見えるのです。

これは、「A役員の仕事について、責任も権限もないB役員やC役員が意見を言って」という言葉のうちによくあらわれています。
この「意見を言」うということは価値判断を行うということを表しているように見えます。
肯定するにしろ、否定するにしろ、意見を批判するということです。
否定することが批判することではないのです。

そして、一般的なブレーンストーミングのルールでは意見の批判を行わないことになっています。

ブレーンストーミングでは人の意見をほめることがあるのですが、これは批判しているわけではないのです。
人に意見を出しやすくしてもらうために、場を明るくすることを目的にしています。

おそらく、吉越さんの本のライターか、編集者が吉越さんのおっしゃるブレーンストーミングの言葉の意味をうまく確認できなかったのだと思うのです。

吉越さんに、理想的なブレーンストーミングやアイデアの出る会議の進行例を出して聞いてみたらどうだったでしょう。
吉越さんの言葉の選び方が代わったかもしれません。

今言った、「ブレーンストーミングやアイデアの出る会議」の例としては、異業種の人が関わってアイデアを出す昼食会であったり、茂木健一郎さんが取り上げるトリニティ・カレッジでの会話だったり、最近復刊したロゲルギストの対話であったりがいいのかもしれません。

意思決定が必要な場面で「A役員の仕事について、責任も権限もないB役員やC役員が意見を言って何になるのか。」というご意見は私も同感です。

吉越さんのおっしゃる場合に有効なのは、むしろ『質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?』で取り上げられているような会議体です。
A役員の仕事についてB役員やC役員が質問を多く発し、A役員自身が問題点の発見や意思判断をするという会議体です。
他者に検討事項を出してもらうこと。そしてもう一度A役員自身の手で判断されることが有効なのではないでしょうか。

また、本を書く際にも「ブレーンストーミングがいけない」というように単純に物事を否定するのではなく、理想的に進行する会議と、進行していない会議の実例を書かれたほうがよかったのではないでしょうか。

質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?質問会議 なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか?
(2008/09/20)
清宮 普美代

商品詳細を見る



ブレーンストーミングの進行を確認するに当っては、日本創造学会によるブレーンストーミングの説明立命館大学のブレーンストーミングとKJ法の説明がお勧めです。

また、進行の例としては、手前味噌ですが、書くワークショップで私がとっている形式はは創作以外でも有効だと思っています。

>> 書くワークショップレポート

>> 書くワークショップ 作品集




短くて否定的な引用のもつ扇動能力

引用の恐ろしさは、今回の記事に当てはまるものではありません。
マスコミの言動全体に当てはまるものですし、書評にもあてはまります。

言葉を選び取るのは、受け取り手の自由です。しかし、その受け取り手がさらに言葉を送り出す場合は細心の注意をしていただきたいのです。

普通のマスコミやスポーツ新聞はなお更のこと、マスコミの中でも特に発信するターゲットが分かっている媒体ではなお更です。
読んだ人の意思決定に重大な影響を与えかねません。

日経BPはビジネスパーソンが見るページです。
特にマネージャーや経営者がご自身の活動の参考にされることを想定してページを作られているはずです。

例えば「ブレーンストーミング」に興味を持っていらっしゃる方がいるはずです。「ブレーンストーミング」を疑っている方もいらっしゃるはずです。

日経BPに入っていきなり否定的な発言を見ることで、興味や疑問を否定的な考えへと転向させかねません。

日経BPが経営者やマネージャー、ひいてはビジネスパーソンの意思決定の

ターゲットの方のロールモデルとなる経営者のお話も面白いのですが、もっと古典を引用するなど、示唆に富んだ内容にすべきではないか。
そして短い引用を行うときは、否定的な発言ではなく、肯定的ないし成功するTIPSを引用するべきではないかと思うのです。



引用を行うときに注意したいこと

いい引用なくしていい書評もいい記事もありません。
引用はとてもむつかしく、細心の注意を行わないと人の意見から受け取った自分の伝えたいことが間違って伝わりかねません。
そして引用元の発言された方の人格を壊しかねません。

引用を行うときは

○長い引用をためらわないこと。
○文脈全体にわたる要約を視野に入れること
○発言者の文脈を壊さないで伝えること

を心がけようと改めて思いました。

レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)
(1994/02)
木下 是雄

商品詳細を見る




ブログランキングに参加しております。よかったらクリックしてください。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

人気ブログランキングへ1

テーマ : 自己啓発 - ジャンル : ビジネス

タグ : 引用 書き方 レポート

コメント

すっきりしました。 

引用を使った文章(自分を含む)を見たときのもやもやした感じの正体、また、言葉を発するときから受け取るまでの間に起こっていること、起こりうることが、目に見えてすっきりしました。

読んだ人がどう受け取るかは自由。でも、そもそもの伝えるべきことが伝えられない形になっているから問題になるのですね。

言葉を発するのが怖くなった時は、これを気をつけてみたいと思います。

Re: すっきりしました。 

こんにちは
常に引用ばかりで文章を作っていると、
毎回こわくなります

「最低限で最大限伝えること」は夢だけど
むつかしいなとおもったりします
わたしも気をつけて囲うと思いました

ありがとうございました。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://literturehardcore.blog51.fc2.com/tb.php/256-29f4c706

 | HOME | 

出演予定イベント
3月17日 (水)19:00-24:00
『ユアパ!vol.34@渋谷SECO』


渋谷SECO
東京都渋谷区渋谷1-11-1 B1F
03-6418-8141
1000円+ドリンク
メールマガジン
ポエムコンシェルジュの選んだ一篇
(ID:0001086342) 読者登録解除フォーム
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録・解除できます。
登録フォーム**
まぐまぐ 『まぐまぐ!』から発行しています。
カテゴリー
月別アーカイブ
RSSフィード
最新記事のRSS
最新コメントのRSS
最新トラックバックのRSS

Add to Google
はてなRSSに追加
My Yahoo!に追加
Livedoorへ追加
最近の記事
ブログ内検索
リンク
アクセスカウンター
最近のコメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

twitter
ブログパーツ



復刊ドットコム
絶版になっている本の復刊に
協力願います。

アイデアのおもちゃ箱
新しいアイデアを思いつくツールが全部で20種類以上!
発想力を高める方法や偉人の発想エピソードも詰まっています
書評
おすすめ詩集(インディーズ)
おすすめ詩集(インディーズ)

五十嵐倫子『色トリドリの夜』
ブログ関係
プロフィール

イダヅカマコト

Author:イダヅカマコト
ポエム コンシェルジェとして、詩集や文学、発想の紹介をしております。
恋愛詩、克己詩、悲しい詩、うれしい詩など、こんな詩が知りたいというごお問い合わせを歓迎しております。
ご献本やコラム・書評の執筆依頼、撮影などの依頼もうけております。
ご献本いただいた書籍にはご紹介を書くよう努力しております。

よかったら、お問い合わせフォームよりメッセージください

また、Twitterもやっております。
こちらからよろしくおねがいします。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。