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4月21日 詩の教室にいく 

2008.04.26 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

4月21日に、下北沢のフィクショネスという書店で行われているの教室に行きました。
人のカワグチタケシさんが長く続けていらっしゃる近現代のワークショップです。

2部構成で実施されています。
第1部では近現代の人を取り上げての講義、第2部ではワークショップに参加された方の持参しているの合評を行います。

第2部の合評会では店主の藤谷さんも参加しています。

第1部 現代の講義

今回第一部で取り上げられたのは、パブロ・ネルーダでした。
20世紀に生まれた最大の詩人の一人で、CIAもからんだクーデターによって殺されたチリの左翼系の政治家です。
71年のノーベル文学賞の受賞者です。

日本では、ノーベル文学賞を受賞した際に集中的に紹介され、
その後、1995年の映画『イル・ポスティーノ』で郵便配達に詩の手ほどきをする詩人として登場したことで文庫が復刊していたとのことでした。

講義の内容は、詩人自身の生涯と講師のカワグチタケシさんによる詩の紹介が中心でした。

今回の講義で一番すばらしいことは、カワグチさんの分析もさることながら、講義で使われる詩集を自分の所有物として持っていらっしゃるということです。
日本の出版状況では売り上げの期待しにくい詩集はすぐに絶版になるため、
詩集のそのものに触れるということで詩、特に海外の詩が日本でどのように受け入れられたかが分かるんです。
勉強する上では、手に入れやすいということ以上に、受け入れられ方(本のデザインなどに表れます)が重要なので、とても参考になりました。

今回の合評会で取り上げられたネルーダの詩で印象的だったのは「たまねぎのオード」という詩です。『基本的なオード』というトマトやスプーン、靴下といった生活に身近なものをたたえる詩集のなかの一編なのですが、詩のなかで表れ出る南米への強い共感が印象的です。引用します。

またわたしは忘れないだろう
おまえの存在がいかに
サラダの愛を豊かにするか
まるで 天が
おまえにあられのなめらかな形を与えて
トマトの半球状の上で
みじん切りにされたおまえのその明るさを
たたえているようだ
また 民衆の手にも届いて
油をそそがれ
わずかに塩をかけられて
険しい道で働く日雇い人夫の
空腹を癒す
貧乏人たちの星
妖精の代母
きゃしゃな紙につつまれた
土壌の妙味
星の種子のように
永遠で 完璧で 無垢だ
おまえを切ると
台所の包丁は
つらくもないのに
かけがえのない涙を流す
悲しくもないわたしたちを泣かす



第2部 詩の合評

今回合評に提出された詩は5編(もしも違っていたら突っ込んでください)でした。
作者自身による朗読の後、自由に意見を述べるという方式でした。
フレーズ単位での要不要を述べることができる、緊迫した合評でした。

今回の合評の中ではジュテーム北村さん(mixiのコミュニティにつながります)の詩がものすごかったので、少し引用します。彼の朗読はいん・あうとにて聞くことができます。

自動車ができないので
自転車をしているのではない
頭がわるいから
でかけることができないのではない
長いものが書けないから
短いやつはなおさらだ
女の人をイかせることも
朝五時に起きることも
よく噛んで食べることも
人の視ていないところでズルイ
ことをすることもできる
だけど続きを書けるのは
ほんのひと握りの者なのだ
たとえ書けても残るのは
さらにひと粒の者なのだ
山わらふとは
ここではないここということだ


同時にマイミクみにいさんが書かれていた「季節」という詩の屋久島の自然を擬人化して書かれた部分がすばらしかったので冒頭部分を引用します。

緑が勝る島で
ひとは波の歌を歌う
島一周道路が運ぶのは
魚の臭い、パパイヤの香り
時折雷が集落を脅す
雨粒の殴打に会うまで
サルは知らんふりして
ノミ取りをしていた


今回私は、赤信号で小学一年生が止まっていたことを散文詩型にまとめて提出しました。
詩の重要なところでない部分で不注意で使った強い言葉(「全財産」って言葉を使いました)をひねっていると批判されてしまいました。反省点です。
ただ、「詩をまとめるのにどれくらい時間をかけましたか」とジュテーム北村さんに聞かれたときは私は「三十分」と正直に答えることができなくてそちらの方が印象に残りました。
三十分でもいい詩は書けるのに、正直に答えられなかったから自分でも悪い詩を人前に見せたのだなと強く反省しました。

全体的な感想と要望

今回の詩の教室では、久しぶりに作者を前にその作者の詩を論評ができて刺激的でした。
また、第1部の講義でも日本で読まれたときの詩集を手にとることができ、それぞれの訳文を読めて非常に印象的でした。

ただ、その中でも要望が二点残りました。

(1)第1部でカワグチさんが喋るという講義を時間の半分程度にして欲しい。

第1部の進行は、詩人の生涯についての説明と代表的な詩の音読でした。
全てカワグチさんの口によって行われました。
特に後半の音読は、参加者に割り当ててもいいと思いました。
割り当てて、朗読した本人に感想を語らせるなどして、一人ひとりに場を活発にして欲しいと思いました。

もっとも、私がパブロ・ネルーダについて知りすぎているための意見だと思います。
私は二年ほど前からパブロ・ネルーダが大好きで、勉強会の前日の4月20日に秩父で行われた朗読会で私はパブロ・ネルーダの詩を朗読していたのです。

(2)第2部での司会的な役割。

第2部の合評会で、小説家で店長の藤谷治さんが詩についてコメントを述べられるのですが、非常に毒舌をふるっているのが印象的で、彼の毒舌をどこで止めるかなどコントロールする役割が必要になると思いました。
今回私はジュテームさんの詩の引用部分について、藤谷さんが「意味論」とおっしゃるのに対して、私はそのような難しい言葉ではなく「緊張」というもっと一般的なものだと言おうとしました。うまく対抗できませんでした。
ただ、私も藤谷さんも同じ場所をすばらしいと認め合っているわけであって、ここのところでうまくせき止められるひとが一人いればなと考えながら議論していました。
これは私自身のコミュニケーション力の問題でもあります。

司会といっても司会に徹する必要はないのです。
詩の書き手が詩の合評会で司会をするのだから、ムキになっていいのは当然です。ただ、人の話を聞いてストップをかける人は必要だなと思ったばかりです。

カワグチさんはこの日記を見てくださると期待しているので、何か答えてくださると思います。

次回の詩の教室は
5月18日(日)です。
第1部ではカール・サンドバーグというアメリカの詩人を取り上げます。

今現在邦訳の詩集はちょっと見つかりにくいのですが、
英語の原文は
Carl Sandburg - Chicago Poems
で読めますし、彼自身のものではないですが、朗読を
National Public Radioで聞くこともできます。

さてと、私も詩の勉強会をしたくなりました。
ゴールデンウィーク開けにやろうと思います。


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