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幡ヶ谷のライブハウスで震災ボランティアの方から中越地震のお話をうかがいました その2(全3回) 

2009.10.31 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

10月23日は新潟県中越地震から5周年でした。
いままで大きな災害にはご縁がありませんでしたが、今回、このブログでも何度かでてきたライブハウス、36.5℃で実際に被災地でボランティアをされていた方のお話を聞くことができました。

この日お話をうかがったのは新潟県新発田市在住の齋藤敏郎さん。赤十字ボランティアとして中越地震に関わりました。。地元の青年団の活動もされています。

日本赤十字の代表である美智子さまにも発表されたという齋藤さんから伺ったお話は、現場でしか体験し得ないお話ばかりでした。

齋藤さんは小千谷市(震度6)と川口町(震度7)でのボランティア体験をお話してくださいました。こちらでのエントリーは川口町でのお話を書きます。
この次のエントリーでは、最終回として、慰問や演奏ボランティア、そして齋藤さんについてもう少し書きたいと思います。

小千谷市での活動については「幡ヶ谷のライブハウスで震災ボランティアの方から中越地震のお話をうかがいました その1」をご覧ください。

その1をあげた後、1日で200以上のアクセスをいただきました。私のブログでは一番多いアクセス数でした、とてもうれしく思っております。



川口町でボランティアセンターを立ち上げる



小千谷市のボランティア活動で大車輪の活躍をされていた齋藤さんですが、彼は引き上げの時期を探っていたそうでした。
家業のこともありました、またボランティア活動で生まれた疲労を癒す必要もありました。


一度川口町を見に行って欲しいという依頼が彼に渡されたのは、ちょうど彼が引き上げようと思っていた頃でした。震災からは何日かががたっていました。

震度7の被害を受けた川口町の惨状を斉藤さんはバイクチームの偵察で聞いていました。

時間の関係で詳しくは伺えなかったのですが、関心空間では地震のときの川口町の集落の被害の様子が書かれています。

麦山地区というところなんだけれど、約160戸のうち、3分の2が全半壊とか。これでよく死者が出なかったなあと思って話を聞くと、どうやら一発目の地震では倒壊せず、あわてて外に逃げたところで2発目、3発目が来て、完全につぶれていったらしい。見回っている間にも何度も余震が来て、壊れた家のトタン屋根やらなにやらが、こすれ合ってがちゃがちゃ音を立て、えらく不気味だった。
家だけじゃなく、道路もひどい。アスファルトがうねうね波打ち、ひび割れ、マンホールが突き出す。しかも余震のたびにさらにひどくなる。


川口町全体では死者が4人でています。

震災ボランティアとして乗り込んだ齋藤さんに立ちふさがった現実は想像以上に難しいものでした。
ボランティアセンターすら立ち上がっておらず、町役場では「これから立ち上げるための準備を行う」というレベルだったそうです。

このあたりの事情は、川口町災害ボランティアセンターのバイク隊のWEBページに書かれています。

自治体同士でも大きな差が出ることに戸惑いを隠せず途方に暮れる齋藤さんには小千谷市と同じように味方が現われます。福島県須賀川市からやってきたJCチームです。
物資もバイクも持っていて、しかも福島からさらに応援が来ると聞いて齋藤さんは力をとりもどします。

彼らが持ってきた義援金を手土産にもう一度町役場に行きます。

これはバイク隊のWEBに書かれている「川口町に集まった10人程の話し合いにより翌日からの構築を決め、徐々に始動の機会を窺う。」という時期だったと思われます。

そして30日にボランティアセンターが立ち上がります。この時すでに震災から一週間がたっていました。

ボランティアセンターを立ち上げいざ活動しようとした齋藤さんに急報が飛び込みます。
川口町の集落で、ボランティアの立ち入り禁止決議ができた。

とのことでした。



小さな村の大きな力



齋藤さんは立ち入り禁止決議を取り消すためにトラック一台分の物資とともに川口町の集落へ急行します。

川口町には9つ(記憶が正しければ)の集落があり、それぞれに総代という集落を代表する方がいます。齋藤さんが総代を中心とした町の人から聞いたこれまでのボランティアの振る舞いを聞くと、立ち入り禁止を言いたくなる気持ちは私にも理解できるものでした。

災害の状況だけを聞いては通り過ぎていった

というのです。そして救援なしですごしていた川口町の集落の生活の柔軟性も恐るべきものでした。

●自衛隊の偵察部隊に握り飯をふるまった

震災が起きた直後、赤十字よりもはるかに早い段階で自衛隊は動き出していました。
山古志の救出が有名ですが、それ以外の一つひとつの市町村の被害を確かめるために偵察部隊をだしていたのです。

山を超え崩落した道を越えた自衛隊のレンジャー部隊を迎えた川口町は彼らに握り飯をふるまっていました。
農家だから食料の問題は少ないし、家には釜もあって火もおこすことができたそうです。災害が起きたときには最低でも2日分の食料を準備するように、といいますが、集落は自然にそういったことができていたのです。

さらに驚くべきはこちらでした。

●道を切り開いた

こちらは、川口町の
この地域は積雪が8mほどに達する地域で、それぞれの家が雪かきのための重機を持っているのです。
しかも重機だけでなくアスファルトもあるのです。
集落の方々はご自身の持っているこれらの機材を用いて道を開きました。
道なき道となった公道を走ってきた齋藤さんは、彼の通った道のすぐ近くに走る新しい道を見て驚くどころか唖然としてしまったといいます。

川口町の集落が一丸となって震災からの復興を行っているさまは、小千谷市の世代格差との懸河の差を示していました。
そしてその団結性は地域性と過疎地域全体に共通する問題がいい方向に出たといえるものでした。

冬は積雪によって閉ざされる川口町の集落は農業と出稼ぎによって成り立っていました。彼らは外部だけではなく、それぞれの集落同士の間でも閉鎖された社会を作っていました。

もう一つは総代と呼ばれる人のリーダーシップでした。
それぞれの集落の総代は40代くらいの若い世代が多かったといいます。
過疎地域に働き盛りで集落に残るという決意をした人にとって、集落を維持するという意識はとても高いものがあった、と齋藤さんは話してくださいました。
老人も総代を信頼して権限を委譲していたそうです。

このあたりはもっと伺えたらよかったと思ったのですが、集落は理想的な中小企業として震災に対応したので中途半端に関与しようとするボランティアは要らないという反応のようでした。



ニーズ表を持っていないボランティアは帰していいです



ボランティアへの信頼を失っている集落の住民に齋藤さんはボランティアセンターへの理解を示してもらうために交渉を行います。
そのとき、齋藤さんは

「ニーズ表を持っていないボランティアは帰していいです」

とおっしゃったそうです。
ニーズ表はボランティアセンターに登録したボランティアが被災地の住民の必要な物やサービスを聞くための表だそう。
そして総代と話している間にやってきたボランティアに対して、ボランティアセンターに登録してから来てください、といって帰してしまいます。

この毅然とした態度は齋藤さんへの信用を作り出しました。

それだけではありません。総代だけでなく一人ひとりの人にニーズをきく齋藤さんの態度がボランティアセンターへの理解を作ったのです。
特に助けとなったのは女性の力でした。

総代を中心とした集落の男社会では出てこないニーズを彼女たちは持っていました。
たとえば水の輸送です。
彼女たちは沢まで降りて洗濯に使う水を汲みに行っていたと言います。
齋藤さんが持っていた物資の中でも水はいくらあっても足りないものだということで喜ばれたそうでした。

総代だけではなく一人ひとりのニーズを聞いて歩くことで齋藤さんは

住民代表ということでそれぞれの利権の代表者に話を聞いて政策を作る行政は齋藤さんの動きを見習って欲しいなと強く思いました。



街と村ではニーズが違う



これまでの話でも小さく出していましたが、齋藤さんも、齋藤さんの話を聞いた私も強く感じたことは街と村では大きくニーズが違ってくるということでした。

街では病院などのインフラが発達しているかわりに地域内でのコミュニティが壊れていました。全般的な物資も外から頼らないといけない状況でした。

村では食料などの生活に最低限必要な物資がありました。これに対して医療系のインフラに乏しく、老人の多い集落では看護師を送る必要がありました。そしてボランティアに参加している看護師も日常の仕事先があるため長くいることは難しい状況でした。

衛生関連のインフラで面白く、そして印象深い逸話を齋藤さんは教えてくれました。
アルコール消毒につかうウェルパスについてです。

集落の中においてあるウェルパスの使い方が解らないという老人に齋藤さんは用途と目的を教えてあげたそうです。そして使い方を理解した老人はウェルパスをストーブの上に置いてしまいました。
もちろんこれはダメに決まっています。ウェルパスはアルコールでできているのですから。

老人がウェルパスの使い方をわからなかった理由の一つは字が小さいためでした。いざ使おうとしても説明が読めないのでは意味がありません。
こういった小さな道具でも使い勝手があり、緊急の対応があるのだと勉強になりました。



現在の川口町



現在、川口町は世帯数1,439世帯、人口5,233人をかかえています。

災害ボランティアとの交流も今も続いており、演奏ボランティアとして参加した桑名シオンさんと旅流草一郎さんは川口町の歌「魚野川」を作曲されました。

齋藤さんのお話の間、36.5℃は黄色いビニール袋に彩られていました。このビニール袋は被災地の方に書いていただいたものです。

送信者 091023 灯篭の会



このビニール袋は36.5℃のマスターであるのぶさん宇海さんの参加しているグループ、トウキョウ・ハッピーズのメンバーが震度7の揺れを襲った川口町に伺ったときにもらったのです。
(魚野川の作曲者、旅流さんもトウキョウ・ハッピーズのメンバーです)

ビニール袋はもともと汚物いれとして贈られてきたものでした。
たくさん贈られてあまったビニール袋を川口町では捨てずに街の復興メッセージを書いて使っているとのことでした。
齋藤さんのお話の前にトーキョウ・ハッピーズのみんなが川口町を彩るビニール袋の写真を見せてくれました。
ニコニコマークです。

川口町 ニコニコマーク
送信者 091023 灯篭の会


齋藤さんやボランティアは今でも復興のために川口町に時間を割いていらっしゃいます。
齋藤さんは灯篭の会の次の日に、ハイキングコースの整備のため川口町に向かわれたそうでした。

こういう一人ひとりの力によって社会ができるのだということに私は驚かされました。

次のエントリーでは、に代表される演奏ボランティアや慰問公演、音楽の力について書いて、最後としたいと思います。


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タグ : ボランティア 赤十字 中越地震

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