社会分析脳を訓練する実践読書ブログ

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平田俊子 『宝物』 

2008.05.03 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

宝物宝物
(2007/10)
平田 俊子

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人で小説家の平田俊子さんの集です。第7集です。(現代文庫は除く)

前作の『詩七日』が『現代手帖』での一つの連載を一冊にまとめたのに対して、『宝物』は『るしおる』、『現代詩手帖』、各新聞などに掲載された詩を集めた詩集です。
発表年代も1994~2007年と多岐にわたっています。
 切れ目のように、本文に使われている紙よりも白く薄く小さい紙が挟まって閉じています。全部で3枚入っています。

 恋愛を思わせる詩もあれば、高村光太郎の「レモン哀歌」に取材をした詩、「バターと/シナモンパウダーをプラス/チンすると/なんでもおいしくなるよ」(レンジの力)のような軽い口調で読める詩もあります。この詩集、というよりも平田さんご自身の一貫したテーマは女の立居振る舞いだと思います。特に家の中でのそれです。

 例えば「れもん」という詩があります。先ほどとりあげた高村光太郎の「レモン哀歌」と梶井基次郎の「檸檬」という、高校の教科書にも載る文学作品を取材した作品です。タイトルとなっている同じ植物の二つの名前の選び方を元に書いた詩です。

「しかし智恵子の半生を思うとき/レモンの明るさよりも/檸檬の重苦しさが/似つかわしくはないだろうか」と、書いた後、現実にしなびた「檸檬」を観察し、再び光太郎の元に戻るとき「大きく立派な彼の手は/みずみずしさをなくしたこの化け物を/無言で払いのけるだろうが」と平田さんは詩を閉じます。

 高村光太郎には「手」という彫刻作品があります。
 智恵子との結婚生活中に作られたこの作品を見ながら「れもん」を考えると、「ちえこは東京に空が無いという/本当の空が見たいという」(「あどけない話」)と書く高村光太郎の奥さんというのがいかに大変だったかと同情してしまいます。

 レモン哀歌に出たレモンをあげに智恵子を見舞ったときは五ヶ月ぶりのお見舞いだった光太郎や、敗戦後戦争に迎合したことを「反省」して花巻に隠棲した光太郎のナルシズムを垣間見ることができた気になります。

 このほかにも、ゴッホの「アルルの寝室」に出てくる家具を家族に見立てた「私見、ゴッホの『寝室』」や、デジタルカメラに撮影された被写体を題材にした「カメラ」など、バリエーションの多いたのしい詩集です。



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