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いつどこからでも死ぬことのできる世界 川田絢音『流木の人』 

2009.12.24 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

流木の人流木の人
(2009/05)
川田 絢音

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川田絢音さんの詩が大好きです。
日本を離れ30年以上の間イタリアに暮らす彼女の詩はつねに短く、簡単な言葉で書かれているはずなのに、必ず川田さんの詩だとわかるしるしが付いています。
芯というよりも、まるで大樹の幹のようです。

2009年に発売された『流木の人』は18編の詩がつめられた小さな詩集です。わずか40ページほどの本の中にトイカメラで撮った写真の色のように描かれているもの自体からはみだすものがあります。
はみだしているものは「孤独」や「死」という言葉であらわすものなのですが、川田さんの描くそれはさみしくもなくつらくもなく、私の中でとどまります。


詩を一編見てみます。


まだらの毛虫



雨に打たれて
まだらの毛虫は落ちたが
流れ着いた魂が
自分の時間をとって静められることはあるのか

顔を出して
こちらを見ているアザラシ
顔を沈めると
その者が断崖を眺めたことも消え
海だけになる

空と呼ばれるものは
あらゆるものを放って何も聴いていない
見抜いているので
何も見えない
心にかなわない事もない


海辺の墓標が
少し増えて立っている



雨に打たれて落ちる「毛虫」、顔を沈める「アザラシ」、「空」はおそらく人の持たないもの。
これに対して「魂」「墓標」は人が持ちうるもの、人が作ったもの。

「魂」と「墓標」にだけ書かれている「が」という主語を作る助詞はとても考えさせられます。
一番最後の「増えて立っている」という言葉は、ふたつの「が」によって、「静められることはあるのか」という問いかけへの返事に見えます。

問いかけと答えの意味はよくわかりません。
ただ、きっと川田さんにとって生と死は、等しく見るものであり体験するものなのだということだと感じます。

前に川田さんの詩集を取り上げたときも思ったのですが、生まれた場所からはるか遠くに住むことは、それ自体が死に似た行為なのでしょうか。
彼女の詩編のように静かに死ぬことができるのならとてもうれしく思っています。



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タグ : 川田絢音 流木の人

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