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聞く技術が身につく『キリスト教思想への招待』 

2008.10.03 この記事をクリップ! このエントリーをはてなブックマークに追加

キリスト教思想への招待キリスト教思想への招待
(2004/03)
田川 建三

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若い読者のための世界史』と同様に故山村修さんの“狐”が選んだ入門書 (ちくま新書)で知って読みました。

田川建三さんの2003年の著書『キリスト教思想への招待』は強い言葉に満ちています。例えばクリスチャンなのに「神様なんていなくてもいいから」神様に感謝しようと言い放つ強い言葉の使い方も一つです。
正直、とにかく面白い書き方なのです。面白い本なのです。

ですが、この本に強い説得力を持たせたのは「ひとの話は、その中身に耳を傾けるものだ」と語る、田川さんの態度です。
これは聖書の言葉をありがたいものとして説明する神学者への警告として出された言葉ですが、田川さんの「中身に耳を傾ける」態度は「ひとの話」を「世論」や「実際に起きていること」の全てに共通しています。
この本を読むことで聞く力が身につく気にもなります。

例えば、漁業や農業にたずさわる人が語る、「大量に生産して消費者にお届けする」という言葉について彼は警告を発します。
その人が無から植物や魚を作れるみたいな口調でしゃべる人の態度。そして、この「生産」しているのが人だという考え方を多くの人が受け入れているという事実について。彼は聖書を引きます。
神の国は、大地に種まく人みたいなものである。後は夜昼、寝たり起きたりしている。しかしこの人自身が知らぬ間に、種は芽を出し、成長する。大地がおのずと実を結ぶのである。まず青草が、それから穂が、そして穂の中に豊かな穀物が。そして時が至れば彼は鎌を入れる。収穫が来たのだ。
(マルコによる福音書第4章26節~29節 訳は田川建三さん)
どんなに多く農作業をやっても、種から芽が出るという働きは作れないし、出てきた芽を引っ張っても青草は成長しません。また、一匹の卵から魚を作るにあたって、人間は卵を産むこともできません。
やれることはせいぜい、人にとって都合のいい食べ物になるように、水をやったり肥料をやったりするくらいです。

植物や動物は人間が作れるものではないはずだ、ということを彼は聖書をひもときながら教えてくれます。最後は、自然の恵みに感謝しなさい。という話になります。
ありがちな話とおもいますが、神様は最後まで出てきません。
ここで語られるのはあくまで農作業です。そして田川さんもこのことを強調しています。
天にまします汝らの父は、悪しき者の上にも善き者の上にもその太陽を上らせ、義人にも不義なるにも雨を降らせて下さる。
(マタイによる福音書第5章45節)
自然は、私たちにコントロールできるものではありません。

田川建三さんは今読まれるべきものとしての聖書を説いています。
それは、聖書の言葉を全て正しいものと信じるのではなく、聖書に書かれている時代の人が聖書のエピソードをどのように感じたかについて耳を傾けています。

「確かに、日本の自然『も』美しく、豊かである。世界のあらゆる場所の自然が美しく豊かであるのと同様に。」と語りながら、日本の景観を壊していく政府や国民の無意識への批判
浄土真宗とキリスト教を一つの線につなげたくなるようなキリストの犠牲の読み解き方。
ヨハネの黙示録の著者のジャーナリスティックな視線を物価の高騰から分析する目。

この本を読むと、語っていることではなく行っていることによって、物事を判断すべきだという想いを新たにさせられます。

田川建三さんは現在新約聖書の訳と註を編んでいます。


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